個人信用情報機関とは

[記事公開日]2016/08/01

「相続放棄」という言葉を聞かれたことはありますでしょうか。

亡くなられた方に借金があった場合、その借金を相続することを放棄する事が出来ます。

しかし、相続を放棄するには3ヶ月以内という期限があります。

亡くなった方の借金の有無を調べているうちに、気がつくと期限を過ぎてしまっていて借金を相続してしまうこともあります。

ですから、相続をする場合には亡くなられた方の債務状況を出来るだけ早く調べることも重要になります。

今回はこの個人信用情報の調査の方法についてご説明します。

 

相続放棄とは

相続放棄とは遺産分割協議では借金の負担は決められないため、「借金は絶対に支払いたくない」のであれば、借金を相続することを放棄する必要があります。

これを「相続放棄」と言います。(詳しくは『相続放棄とは』をご参照下さい)

当センターにも、以下のようなご相談を頂いたことがあります。

  • 「生涯独身だった兄の相続人になったのですが、兄は生前一人暮らしだったので、遺産がどれくらいあるのか分かりません。特に借金の額が分からないので、安心して相続することができません。」(大阪在住Mさん)
  • 「面識がない異母兄弟から、『あなたの父が亡くなったのだが、債務超過のため相続放棄をしてください』という旨の手紙が届いたのですが、どうすればいいのでしょう。」(大阪在住Sさん)

被相続人と生前に密な交流がなかった場合は、被相続人の生活や経済状況等が分からないため、借金等のマイナスの財産がどれくらいあるのか不安になるようですね。

被相続人に借金があった場合は、金融機関等から請求書や督促状等の手紙が1~2か月くらいで届くことが多いので、自宅を家捜ししてある程度の借金は把握できることがありますが、相続放棄の期限は3か月しかありません。

金融機関からの請求を待っているのではなく、積極的に相続人から「個人信用情報機関」に照会して調査することもできます。

 

個人信用情報機関とは

「ブラックOK!即日融資!」のような貼り紙を見たことはないでしょうか。クレジットの支払い等を数か月延滞したり、過去に自己破産等をしたことがあると、ブラックリストに載ってローンを組めなかったり、クレジットカードを作れなかったりします。

そんな人でも貸し付けを行っている金融業者ということですね。

俗にいうブラックリストに載るというのは、「個人信用情報機関に異動等の事故情報が登録されること」をいいます。

新たにローンを組む等の場合に、申込みを受けた金融機関は下記のような個人信用情報機関で登録されている情報を確認して審査するのです。

  • CIC(株式会社シー・アイ・シー)http://www.cic.co.jp/ (クレジットカード会社・信販会社等が加盟)
  • JICC(株式会社日本信用情報機構)http://www.jicc.co.jp/ (消費者金融・信販会社等が加盟)

現在は上記3つの会社があります。

それぞれ利用した金融機関によって登録されている会社が異なるため、借金等の債務の調査の場合、3つすべてで現在登録されている個人信用情報の開示請求をします。

 

亡くなった兄の信用情報はどうやって確認するの?

原則として、下記の必要書類を揃えて、それぞれの個人信用情報機関に郵送しましょう。

  • 信用情報開示申込書(各機関のHPでダウンロードできます。)
  • 本人確認書類(身分証明書のコピー等)
  • 開示対象者(Aさんの兄)の死亡が分かる戸籍謄本等
  • 相続人であることが分かるAさんの戸籍謄本等
  • 定額小為替証書1,000円分

※場合によっては上記以外の書類等が必要になる場合があります。詳しくは各個人信用情報機関のHPをご確認ください。

これらを郵送すると、概ね1週間~2週間くらいで、開示結果が簡易書留・本人限定受取郵便等で送られてきます。

 

個人信用情報に登録されない借金もあるの?

貸金業の登録をしていないヤミ金業者は個人信用情報機関にも登録されていないため、そのようなヤミ金業者から借り入れをしていても、個人信用情報ではわかりません。

また、知人・友人からの借金も当然、個人信用情報には登録されません。

こんな場合は家捜しして借金に関する書類や、メモ等何も残されておらず、2~3か月経っても何も連絡がなければ各種相続手続きをすすめてしまっていいでしょう。

 

忘れた頃に取り立てに来られたらどうしたらいいの?

督促相続放棄の期間である3か月が経過するのを待って、相続人に取り立てに来る悪質な金融業者もいるようです。

こんな場合は、もう相続放棄ができないのでおとなしく請求に応じるしかないのでしょうか?

「請求されたような多額の借金があることを知っていれば、明らかに相続放棄をしただろう」という場合は、3か月経過後も相続放棄が認められるケースがあります。

また、その金融業者から、法定利息(借り入れが10万円以上100万円未満であれば18%)を超えた高い利息で借り入れていたのであれば、借金の額が減ったり、過払い金として払い過ぎていたお金が戻ってきたりすることもあります。

3か月経過後に請求を受けた場合は、相続放棄を相談中等の返答をして、すぐに弁護士・司法書士等の法律家に相談することをオススメします。

間違っても一部のみ返済したり、送られてきた書類に署名・押印等はしないようにして下さい。

 

まとめ

まとめいかがでしたでしょうか。

相続手続きは、不動産や預貯金等のプラスの財産を受け継いで、故人への感謝とともに未来へ歩き出す相続人がいる一方で、多額の借金を背負わされて自己破産せざるを得なくなる相続人もいます。

そんな悲劇の主人公にならないために、マイナスの財産についてもキッチリ調査しなければなりません。

とはいえ、親族の死亡という悲しい出来事に直面して、3か月以内にすべて調査するのはハードルが高いと感じる方は、大阪相続あんしん相談センターにご相談ください。