土地ってどう数えるの?不動産の単位『一筆』とは

[記事公開日]2016/04/15
[最終更新日]2016/06/15

日本語には、モノを数える時に使ういろいろな「数詞」があります。

本は1冊2冊…、豆腐は1丁2丁…と数えますよね。

それでは土地はどのような単位で数えるかご存知でしょうか?

このページでは、土地の単位「筆」に関してわかりやすくご説明します。

 

土地の単位「筆」とは

土地の単位「筆」とは一口に土地と言っても、その地目(用途)ごとに宅地、田畑、道路から山林まで様々な種類があります。

一般的には、宅地は「一区画」、田畑は「一面」や「一枚」、道路は「一本」や「一車線」、山林は高い山を数えるときは「一座」というようですが、通常は「一つ」ですね。

しかし、登記をするときは地目に関わらず「一筆」という単位で数えられます。

「筆」という単位は、不動産関係の仕事をしている方は別として、一般の方には聞き慣れない言葉だと思います。

「一筆・二筆」は『いっぴつ・にひつ』または『ひとふで・ふたふで』と読みます。

この「筆」という単位の由来は諸説あるようですが、明治時代の「地租改正」の時点で既に条文の中に「一筆毎ノ、一筆トナス地」とあり、さらにさかのぼると、豊臣秀吉が天正10年(1582年)以来行った太閤検地とそれに基づく土地公簿(検地帳)の編成の際に、その土地の所在や面積、名請人(所有者)等の情報を筆で一行に書き下したことから呼ばれるようになったと言われています。

ちなみに建物の場合、一般的にはマンションやビル等は「一棟」、家屋は「一軒」ですが、登記上の単位は「一戸」や「一個」になります。

※相続税評価の宅地の評価単位は「筆」とは異なる場合がございますので注意が必要です。詳しくは『相続の土地評価で間違えると怖い「宅地の評価単位」』をご参照下さい。

 

一筆の土地とは

実際に現地に行って、その土地を眺めてみても、どこからどこまでが一筆なのかは分かりません。

みなさんの住んでいるご自宅も、建物は一戸でもその敷地が5筆に分かれているなんていう場合もあります。

毎年4月~5月頃に送られてくる「固定資産税の課税明細書」を見て頂くと、土地一筆ごとに「地番」が振られていますので、自宅が何筆あるのか確認できます。

 

地番と住所は同じではないの?

住所表示住居表示が実施されている地域は、自宅の住所と地番が異なっています。

自宅の住所はいつも見慣れた「1丁目2番3号」なのに、固定資産税の課税明細書を見ると、自宅の土地の地番が「1丁目720番」なんて番号になっていれば、住居表示が実施されている地域ということになります。

法務局で登記事項証明書(登記簿謄本)を請求するには、地番で特定する必要があるため、住居表示が既に実施されている地域の場合に、住所しか分からなければ、法務局で住所から地番が分かるブルーマップで調べなければなりません。

固定資産税の課税明細書を持参すれば地番が載っているためスムーズにいくでしょう。

 

なぜ、住居表示が必要なの?

ではなぜ、住居表示実施が行われたのでしょうか?

従来、住所は登記簿上の地番を使って表示されていましたが、住宅の増加に伴い、地番で住所を表すことに無理が生じてきました。

家を建てるときには、一筆の土地を2つに分ける分筆登記や二筆を一筆にまとめる合筆登記を行う場合があります。分筆登記や合筆登記をすると、地番が変わります。

例えば、10番という地番の土地が2筆に分筆されると、10番1と10番2という地番になります。

地番で住所を表示する方法をとっていた場合、分筆登記をするたびに、住所も連動して変えざるを得ない場合が多くなってしまい、煩雑になってきたのです。

住居表示が実施されれば、消防車・救急車・パトカー等が早く目的地に着くことができ、郵便物等の遅配・誤配も少なくなるのです。

 

「一区画」と「一筆」はどう違うの?

区画というのは、その土地を利用するために区切られた単位で、分譲住宅を販売する際に売主が定めたものが代表的です。

一区画が一筆となる場合もありますが、一区画が宅地一筆、道路一筆、雑種地一筆という三筆から成り立っているという場合もありますので、「区画」と「筆」が必ずしも一致するわけではありません。

 

一筆一所有者になるの?

一筆の土地でも複数の所有者がいる「共有」の状態になる場合があります。

一筆の土地の共有

上のように、分譲地等では、私道である地番7の土地は佐藤さん~伊藤さんの6人で6分の1ずつ共同所有(共有)するケースがあります。

この場合、この分譲地【ハッピータウン幸福町】は「6区画・7筆の土地」で構成されることになります。

また、不動産の相続の場合は、土地や建物を誰からも不満が出ないように、きちんと相続分の通りに分割することが難しいので、安易に相続人の共有にしておくケースがあります。

この共有となった土地を更に子供、孫と相続していくと、最終的に一筆の土地が10人以上の共有となることも珍しくありません。

そうなると、いざこの土地を売ろうとしても、売買契約や決済・引き渡し等に10人以上の所有者全員が関与しなければならなくなり、遠い親戚で会った事も無い人を探し出して土地の売却の同意をもらうことは非常に大変な作業になりますし、同意が得られずに売却ができないなんてこともあります。

こういった場合は、換価分割や代償分割という遺産分割方法で代表者一人の名義にしておくのがオススメです。(遺産分割のやり方に関しては『遺産分割協議とは』をご参照下さい)

 

一筆単位でないと売買できないの?

では、既に誰かと共有している土地を売却することはできないのでしょうか?

共有の土地の売却

山本さん(兄)と山本さん(弟)が共有している土地があるとします。

この土地の山本さん(弟)の持分2分の1のみを小林さんに売却すると、この土地は、山本さん(兄)と小林さんの共有になります。

共有となると、小林さんは山本さん(兄)の協力がなければ、この土地を売却することはもちろん、他人に貸したりすることもできません。

こんな全体を自由に使えない土地を売却することは難しいでしょう。

こんな場合に便利なのが、「共有物分割」という制度です。

先に2筆に分筆したうえで、山本さん(兄)と山本さん(弟)各々の単独所有名義にしておくと安心して売却できることでしょう。

分筆後に売却

分筆には土地の測量費用なども必要ですのでまとまった経費が掛かりますが、将来に揉める火種を残さないためにも相続の際にきちんとしておくことが必要です。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

土地の「地番」「分筆」「合筆」のような言葉はあまり聞く機会が少ないかもしれません。

ただ、不動産をもっている方に相続が発生したときに知っておいた方が良い言葉ではあると思いますので、「ああ、土地の単位なんだな」という事だけでも覚えておかれると良いかと思います。