税理士の報酬について③銀行提携の税理士さん

先日、ある都市銀行の支店長から紹介を受けた事案がありました。

財産の概要を聞いて私が出した見積もりが30万円。それに対してその都市銀行の本部提携の税理士さんの見積もりが120万円とのこと。

銀行などの金融機関と提携されているの税理士さんは一般的に報酬が高い印象があります。報酬が高いこと自体は批判できません。金融機関から紹介をされるということは、これまでの実績を評価されているということですし、その実績や信頼の証として高めも報酬でも仕事が取れるのだと考えています。私たちも早くそうなりたいものです。

ただ今回、財産の内容を考慮した見積りは大事なことを考えさせられました。今回の案件の財産の内容は以下の通りです。

自宅不動産 2000万円

預金 5000万円

有価証券 5000万円

合計 12,000万円

預金と有価証券に至ってはその都市銀行の支店預りのものだけ、評価証明等もすでに入手済みで、自宅不動産の評価だけが実質的な仕事でした。

銀行提携税理士さんは外形的に12,000万円×1.0%で報酬を計算されたと思われます。実質的な仕事の中身に対する報酬を考慮しないと120万円という高額な見積もりになってしまうのです。顧客からすると『ぼったくり』と見られてしまうのではないでしょうか。

 

逆にものすごく低価格のところもあるそうです。そのホームページを見ると税理士さんではなさそうでした。税理士でないところは問題外として、税理士でも余りに安いところは止めておいた方が良いと思います。税理士はそれほど経費のかからない仕事とはいえ、一定の利益がないと生きていけません。一案件に掛ける時間やコストを削って、件数をこなしている場合が多いのではないでしょうか。相続は良く似た事案でも、一件、一件の内容が異なるため、流れ作業で出来る仕事ではありません。あまりに安すぎるところもご注意下さい。

相続税専門税理士