生命保険が相続税対策になる!?対策に有効な「変額保険」とは

[記事公開日]2016/02/16
[最終更新日]2016/06/14

変額保険とは

「生命保険は相続財産じゃないから相続税がかからないって聞いたんですけど、本当ですか?」というご質問を頂くことがあります。

相続税対策として生命保険を使うのが良いと聞いたことがあっても、実際のところ、どうやって対策すればいいのかよく分からないという方も多いと思います。

今回は、基本的な相続税対策として生命保険をどのように利用できるかと、その中でも相続税対策に有効といわれている「変額保険」とはどのようなものなのかを見ていきたいと思います。

 

生命保険金は遺産ではない!

生命保険金は被保険者が亡くなった時に出るものなので、亡くなった方の遺産と思われがちですが、生命保険金は遺産ではありません。

被保険人が亡くなった後に受取人が受け取るのですから、生前の財産を相続するのではなく、保険会社から受取人の財産として受け取るということになります。

つまり、受取人が受け取った保険金を誰と誰にに分けるというような遺産分割協議の対象にはならないのです。

 

生命保険の非課税枠

それでは、「亡くなった後にもらう固有の財産なので、いくらでも相続税がかからないのか」と言うと、そうではないのです。

生命保険は、ある一定の金額までは相続税は課税されません。これを非課税枠といいます。

しかし、非課税枠以上の金額は「みなし相続財産」といって、被相続人の本来の財産ではないのですが、相続財産とみなして相続税の課税対象となります。

【生命保険の相続税非課税枠計算式】

500万円×法定相続人の数=生命保険金の相続税非課税枠

 

生命保険の非課税枠の具体的事例

例えば、法定相続人が2人の場合の事例をみてみましょう。

相続人2人の場合の事例

自宅 2000万円
預金 3000万円
合計 5000万円>基礎控除4200万円(相続税の申告が必要)

この預金3000万円のうち1000万円を生命保険金にしておけば、

自宅 2000万円
預金 2000万円
保険金 1000万円
非課税 △1000万円(=500万円×2人)
合計 4000万円 < 基礎控除 4200万円

相続税の申告必要なしとなります。

後述します「変額保険」という、相続税対策として向いている生命保険もあります。

非課税枠を考慮して保険金を設定することで、相続税対策として保険を有効に活用することができます。

 

 

相続税の世界の「法定相続人」とは

あと相続税の世界で言う『法定相続人の数』は、一般的な法定相続人の人数とは異なる場合があります。

異なる場合というのは相続人に養子がいる場合です。

昔ですが、とある大金持ちが100人以上の他人さんと養子縁組を行い、基礎控除を何億円にも増やすことで相続税を回避するような事案があったそうです。(個人的にはどのような契約内容で他人さんと養子縁組をしたのががとても気になりますが…)

そんなことがあったので国税庁が法律を改正しました。

 

法定相続人に加える『養子の数』は

  1. 実の子がいる場合には養子の数は一人までOK
  2. 実の子がいない場合には養子の数は二人までOK

例えば実の子がいなく、養子を100人迎え入れたとしても、法定相続人の数は二人までなので、基礎控除も二人分だけ、生命保険金の非課税枠も二人分だけとなりました。

税金回避とは関係なく養子が3人以上いる方にとっては迷惑な話ですね。

 

負の財産(借金)の相続放棄をする場合

遺産放棄した場合の保険の受取相続する財産が負の財産(借金)だった場合、相続人が借金を返済しなければいけませんが、相続自体を放棄する事も出来ます。(詳しくは『相続放棄とは』をご参照下さい。)

先程見ましたように、生命保険で非課税枠以上はみなし相続財産として相続課税対象にはなりますが、あくまで「みなし」ですので、遺産分割協議の対象にはなりません。

つまり、相続税の課税対象としては「みなし相続財産」となるのですが、実際の相続財産ではありませんので、相続放棄をしても保険金の受取には関係ありません

マイナスの財産(借金)は相続放棄して、保険金は受け取るということは出来るのです。

 

受取人を誰にするか?

二次相続一般的には生命保険は夫が亡くなった場合は妻が受取人に指定されているケースが多いと思います。

しかし、相続税対策を考えた場合、子供を受取人にした方が良い場合があります。

配偶者控除といって、夫又は妻が亡くなった場合、その配偶者は1億6000万円又は法定相続分まで相続税が課税されないという優遇があります。

つまり、ほとんどのケースで配偶者には相続税は課税されないと言って良いと思います。

そもそも相続税が課税されないところに、妻が保険金の受取人になると、次に妻が亡くなる時の子供達の相続税が非常に高額になる可能性があります。

子供達には控除がありませんから、相続税が発生します。

そこで、受取人を子供達にしておくことで保険金から相続税を支払うこともできます。

このように、相続税は相続人全体の将来のことまでを考えて対策をする必要があるのです。

 

変額保険とは

「変額保険」と聞くと「ハイリスクハイリターンの保険」という印象を持たれている人も多いと思います。

確かに「リスク」はあるのですが、「どんなリスクなのか」をはっきり理解することで、相続税対策として有効に活用が出来る場合があります。

このページでは「相続税対策としての変額保険」に関して見ていきたいと思います。

※具体的な商品の内容に関しては、保険会社にお問い合わせ下さい。当センターから保険会社の担当者をご紹介することも可能です。

 

「死亡保険金」と「解約払戻金」が変動する保険

変額保険とは

定額保険の場合は、死亡した場合に受け取る「死亡保険金」と、契約期間中に解約した場合に払い戻される「解約払戻金」の額が加入時に確定しています。

一方、変額保険の場合は保険会社の運用実績にともなって受け取る「死亡保険金」と「解約払戻金」の額が変動します。

この「額が変動する」という点が変額保険の特徴なのですが、変額保険の「死亡保険金」と「解約払戻金」は、変動するリスクが異なります。

この『「死亡保険金」と「解約払戻金」のリスクの違い』が変動保険を理解する上で、大きなポイントになります。

それでは、「変額保険」のリスクとメリット、そして、何故「相続税対策」に向いているのかを見てみましょう。

 

変額保険のリスクとは

変額保険のリスク変額保険のリスクは「解約した場合の解約払戻金」です。

定額保険の場合、「×年後に解約をすると解約払戻金は○○万円」といった具合に、解約払戻金の額は保険加入時に約束されます。

変額保険の場合、「解約した場合の解約払戻金の下限が無い」のです。

つまり、保険を解約した場合、保険会社の運用実績によっては、解約払戻金がゼロになる可能性もあるということです。

もちろん、運用実績が良かった場合は、定額保険よりも解約払戻金が多くなる場合もありますので、変動することがデメリットとは言えませんが、リスクであると言えると思います。

 

変額保険のメリットとは

それでは、変額保険のメリットはどんな点なのでしょうか。

相続対策として特に有効な変額保険のメリットをみていきましょう。

基本保険金額が保証されている

基本保険額の保証定額保険の場合、死亡保険金の額は保険加入時に確定しています。

例えば、死亡保険金1000万円の定額保険に加入した場合、死亡した時に受け取れる保険金は1000万円です。

変額保険の場合、「契約時に決めた死亡保険金額は保証されて、死亡保険金が変動する」のです。

少しわかり難いかもしれませんので、例をあげてご説明します。

例えば、基本保険金額1000万円の変額保険に加入した場合、保険会社の運用実績に関わらず、死亡した場合の1000万円の保険金は保証されます。

つまり、死亡した場合、最低でも基本保険金額を受け取ることは保証されているのです。

死亡保険額が増える可能性がある

基本保険額の額先程ご説明しました通り、変額保険は、運用実績が悪くても基本保険金額は保証されています。

それでは、運用実績がよかった場合はどうなるのでしょうか。

もし保険会社の運用実績が加入時の想定よりも良かった場合、先程の例で言いますと、死亡保険金は1000万円以上になることもあります。

つまり、「基本保険金額以上の死亡保険金を受け取る可能性がある」のです。

これは定額保険と比べて、大きなメリットであると言えると思います。

保険料が安い場合が多い

保険料一般的に定額保険と比べて変動保険は保険料が割安に設定されている場合が多いと言えます。

例えば、同じ死亡保険金1000万円の定額保険と変額保険に加入した場合、変額保険の方が安い保険料で加入出来る場合が多いと言えます。

同じ死亡保険金1000万円の定額保険と変額保険に加入した場合、変額保険は、最低でも定額保険と同額の死亡保険が保証がされていて、保険料が安くすむ場合が多いという点がメリットと言えます。

 

変額保険が相続税対策に向いている理由

それでは、今までご説明した内容を簡単にまとめてから、なぜ変額保険が相続対策に向いているのかをご説明したいと思います。

変額保険のリスク

  • 途中解約した場合、解約払戻金の下限が無い点。

変額保険のメリット

  • 死亡保険金の基本保険金額が保証されている。
  • 運用実績が良い場合、基本保険金額以上の保険金を受け取れる可能性がある。
  • 死亡保険金額が同額の場合、定額保険よりも保険料が安くなる場合が多い。

例えば、死亡保険金1000万円の変額保険に入って、被保険者が死亡した場合、どれだけ保険会社の運用実績が悪くても、受け取る死亡保険金が1000万円より少なくなることはありません

保険会社の運用実績によっては1000万円以上の保険金を受け取ることもあります。

しかも同じ1000万円の定額保険よりも保険料が安い場合が多いのです。

しかし、死亡前に解約してしまうと、最悪の場合1円も戻って来ないリスクがあります。

 

相続対策に保険を活用する目的

「変額保険」のリスクとメリットをご理解いただけたでしょうか。

それでは、具体的に、保険を使ってどのように相続税対策をするのかを、奥さんとお子さんが3人いる旦那さんを例に考えてみましょう。

「相続税対策」の一つは、出来るだけ相続税の課税対象となる遺産を少なくすることです。

旦那さんが亡くなられる前に、相続税対策として、死亡保険金2000万円の変額保険に、一時払い(一括払い)で千数百万円を払い込んだとします。

この時点で、相続税の課税対象の遺産は千数百万円減らす事ができます。

その後、旦那さんが亡くなられた時に家族が死亡保険金2000万円を受け取ったとします。

この「死亡保険金」には先程ご説明しましたように相続税の非課税枠がありますので「500万円×法定相続人の数」までの金額には相続税が課税されません。

今回の例の場合、法定相続人が妻と子供3人の合計4人になりますので、500万円×4人=2000万円が非課税になります。

つまり死亡保険金は2000万円まで受け取っても相続税の課税対象にはならないのです。

このように、まず保険に加入して(保険料を払い込んで)、相続税課税対象となる遺産を少なくします。

その保険の死亡保険金を受け取る時には、死亡保険の非課税枠を利用して、相続税の課税対象とならないようにするのが、保険を利用した一般的な相続税対策です。

定額保険より少ない保険料で多くの保険金を受け取る変額保険は、このような相続対策の手段としてとても有効なのです。

 

「解約をしないこと」が前提

中途解約をしない上の例でみましたように、相続税対策として保険に加入する場合、相続税課税対象となる「遺産を少なくする目的」で加入しますので、「死亡するまで解約はしない」ということが前提となっている場合が多いと言えます。

もし契約期間中(亡くなられる前)に解約をする場合は、保険会社の運用実績が悪くなって解約払戻金が減る可能性がある点に十分注意をして下さい。

変額保険は、解約する場合に大きなリスクがありますが、解約をせずに、死亡保険として受け取る場合には「基本保険金額が保証されている」「基本保険金額以上を受け取れる可能性がある」「定額保険より保険料が安い場合が多い」といったように、定額保険よりもメリットが大きいと言えます。

ですから、相続税対策のように、「お亡くなりになった時点での相続税課税対象の遺産を少なくすること」を目的とする場合、変額保険は有効に活用出来ると思います。

 

変額保険のポイント

「変額保険」のリスクは「解約した場合の解約払戻金」ということがご理解頂けたでしょうか。

「変額保険」と聞くと、死亡保険金も下限なく変動するようなイメージを持たれていた方もいらっしゃったかと思いますが、基本保険金額は保証されます。

変額保険は、「死亡するまで解約しなければメリットがある保険」と言ってもいいと思います。

ですから、相続税対策のように、「相続時(お亡くなりになった時)の相続税課税対象財産を合法的に減らす」という目的の場合には、非常に有効な手段だと思います。

変額保険に関しての個々の商品内容に関して詳しく知りたいと思われる場合は、各保険会社にお問い合わせ下さい。

※当センターから保険会社の担当者をご紹介することも可能ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。

 

まとめ

まとめいかがでしたでしょうか。

今回は相続税対策としての生命保険の基本的なところをお話させて頂きました。

生命保険には生前贈与や生命保険信託といった複雑な利用方法もあるのですが、また別の機会にご説明出来ればと思います。

文中にも書きましたように、生命保険を相続税対策として利用する場合、誰を受取人にして、どれだけの金額をかけるかなど、相続人全体を考慮して対策する必要があります。

当センターでは保険の専門家とも提携しておりますので、詳しく話を聞いてみたいと思われた場合は、お気軽にお問い合わせください。

 

 

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